色の秘密-最新色彩学入門 」を元に、要約メモ。

最新色彩学の基本

色が持つ基本的な特徴といったところです。
ピンクは若返りの色。風邪の時なんかは、光を取り入れる白い服なんかが良いみたいですよ。

直射日光下の車のルーフ温度

ボディカラー ルーフの表面温度(℃)
白色系 51
黄色系 53
ゴールドメタリック系 56.5
シルバーメタリック系 57.3
赤色系 61.6
青色系 62.6
緑色系 65
茶色系 67.6
黒色系 71.5

色の軽重感

  心理的重さ
100
灰色 155
113
176
黄緑 132
184
水色 152
187

コーヒー缶の色彩と味覚の変化

コーヒー缶の色 コーヒーの味覚の変化
濃い茶色 風味や芳香が非常に濃い
風味や芳香がやや濃い
風味や芳香がやや薄い
風味や芳香が非常に薄い

進出色と後退色

  進出色 後退色
色相でみると 暖色系 寒色系
明度でみると 明色(淡い色) 暗色(濃い色)
彩度でみると 高い彩度(さえた色) 低い彩度(くすんだ色)

音楽を色彩に翻訳すれば…

非常に面白いなと思ったのがこれです。音の刺激によって色彩が見えることを色聴といい、その特殊能力を持つ人のことを色聴所有者といいますが、そんなに大袈裟じゃなくでも普段から体験しているものも多いと思います。ひとつの感覚で受け止めたものが、他の感覚にも共鳴する共感覚というやつですね。

1905年および1912年に調査された色彩共感覚の事例

  1905年 1912年
レ♭ ラベンダー(薄紫)
すみれ すみれ
ミ♭ 淡い青

濃い青

黄金 太陽のような色
ファ ピンク ピンク(リンゴの花)
ファ♯ 緑青 青緑
ソ♭ より緑がかった青 より緑がかった青
明るい青 明るい空色
冷たい黄色 暖かくない、澄んだ黄色
シ♭ ほとんど橙に近い色
非常に鮮明な銅色 非常に鮮明な銅色

快適生活の色彩術

和室はストレスの解消に最適

和室の視空間70%を占める面積は、ヒノキの柱、畳表、壁面(ベージュかわさび色)、桐タンス、そして、杉の木などで構成されており、それらの反射率はピッタリ50%で、住む人の肌色も50%だから、よくなじむ仕組みになっている。反射率50%は色彩調節の黄金律である。

こういった、和室の色彩に関する記述も後半かなり書かれているのですが、ちょっと感覚が掴みづらいです。
本書でもいつくか引用されていましたが、谷崎潤一郎の陰翳礼讃 でのこの一文が僕としては感覚が掴みやすいです。羊羹は瞑想的な食べ物だというところが心に刺さり、忘れられません。

肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへと沈めると、ひとしお瞑想的になる。人はあの冷たく滑らかなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くもない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。

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