「社会調査・アンケート調査とデータ解析」を元に要約メモしておきたいと思います。
社会調査にはどのような種類があるか
- 統計調査
主に統計法という法律に基づいて政府が実施する調査で、国勢調査がその代表。 - 世論調査
一般大衆における日常的な生活に関する調査だが、特に政党や内閣に対する支持・不支持などを知るための調査を言う場合が多い。 - 市場調査
マーケティングリサーチとも言い、商品やサービスの開発・販売の戦略を立てるために、消費者の購入実態、評価、意見、態度などを調べる調査。 - 各種実態調査
教育、勤労生活、家庭生活、余暇活動などのあらゆる実態の調査。 - 学術調査
学術的な問題関心による調査だが、学問分野によって手法や形態はかなり異なる。
どのような調査方法があるか
- アンケート調査
回答記入欄などをあらかじめ記載したアンケート用紙を用いて調査するもの。質問が単純・適切で、回答者が協力的であれば信頼できる結果が期待できる方法。 - 面接調査
調査者が回答者に会って直接聞き取り調査を行う。調査員は簡単な質問項目のメモを用意しておき、これにしたがって比較的自由に発問して、不定形な回答を聞き取る。質問事項が固定化しないので、テーマに関する深い内容を調査できる。 - 参与観察
調査者自らが、調査対象となっている現場に行ってその活動に参加し、体験する中で観察したことを記録していく調査。言葉だけでは分からないような感覚も理解できる。 - フィールドワーク
野外調査とも言い、野外あるいは研究室外の現場に出かけて資料やデータの収集を行い調査をするもの。 - ドキュメント分析
手紙、日記、新聞、雑誌記事などのドキュメントを収集してそれをデータとして分析し、そこから得た社会事象を調査者の目を通して理解しようとする調査方法。 - 既存統計資料分析
官公庁が発表した統計資料など、すでに統計にまとめられたデータを分析する調査方法。
量的調査と質的調査の違い
テレビの視聴行動や余暇の過ごし方などに適しているのが量的調査。これに対して、不登校やニート、犯罪被害などに適しているのが質的調査。
パネル調査と継続調査の違い
パネル調査は、同一の回答者に対して、質問の時を変えて同じ質問をして意見の変化を見る方法。前の調査と後の調査との間に起こった出来事が支持政党に変化を与えたかといった分析が可能になる。これに対して継続調査は、定期的に同じ質問をして意見の変化を見るが、調査のたびに回答者を選び直す方法。長期間にわたって定期的に調査することによって、社会的意識や政治的関心などの変化を分析するのに適している。
全数調査とサンプリング調査の違い
全数調査とは、調査の対象となるすべての人に調査を行うもの。調査そのものも大変なので、調査対象の一部について調査をするのがサンプリング調査。科学的なサンプリング調査によれば、全数調査を行わなくても同じ結果を得ることができる。
新しい調査方法
- テキスト分析
ネットや雑誌、新聞などのメディアから、どのような言葉がどれほど使われているかを調べるもの。内容分析とも言う。 - 会話分析
会話を録音して、どのような言葉がどれほど使われているかを調べるもの。カウンセリング、消費者行動などの幅広い分野で活用されている。