「ゼミナール マーケティング入門」を元に、要約メモしておきたいと思います。
- 企業間の競争を分析するには、「プロセスとしての競争」という考え方が重要となる。「プロセスとしての競争」は、「構造としての競争」と補完的な関係にある競争の作動である。かつてオーストラリア学派が強調したように、競争には、新たな知識や情報を生み出すという働きがある。「プロセスとしての競争」は、この知識創造のプロセスとしての競争をとらえたもの。
- 「プロセスとしての競争」は、事業の定義を研ぎ澄ますプロセスとなる。事業は、他社との競争を通じて、独自の経営資源や能力を新たに発見していく。そして、この発見を取り組んでいくことで、事業の定義はさらに磨き上げられたり、組み替えられたりする。
- 「プロセスとしての競争」は、産業の枠組みをダイナミックに組み替えていくプロセスとなる。このとき企業は、臨機応変なマーケティング・マネジメントの切り換えと、マーケティング・マネジメントを通じた産業の枠組みの再構築という、2つの次元にまたがる問題に対応していかなければならない。
- 「プロセスとしての競争」は、事業の強みと弱みが反転するプロセスとなる。これまで企業が自社の優位性を確保するために築き上げてきた経営資源が、新しい状況への適応を妨げる要因となってしまうことがある。このような企業の戦略的行動が引き起こすジレンマを、「戦略的ジレンマ」と呼ぶ。