「グロースハッカー」を要約メモです。
グロースハッカーの存在は、優秀なマーケターにとって、コーディング能力と技術的な知識が重要になってきていることを示している。グロースハッカーはマーケターとエンジニアのハイブリッドで、A/Bテスト、ランディングページ、バイラル係数、メール到達品質、オープングラフなどを駆使して考える。
十分な予算がない中で、スタートアップ企業を急成長させる術を習得した。古い前提にとらわれない彼らは、マーケティングを根幹から見直した。
製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。
グロースハッカーの目標は、製品自体を数百万人の顧客にリーチする自己永続マーケティングマシンにすること。
ユーザーひとりひとりが新しいユーザーを、メール一通一通がさらに多くのメールと満足する顧客を呼び込んだ。
まず優れた製品を構築する。次に、招待制で提供することで関心を盛り上げる。そして、ユーザーが新しいユーザーを招待できる人数を段階的に増やしていくことで、Gmail が人から人へと伝わり、最も有名な無料メールサービスとなった。
グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・測定が可能なものだけを用いる。ひたすらユーザーと成長を追跡する。そして、戦略が当たれば、ユーザーがユーザーを引き込む連鎖反応が生まれる。
グロースハッカーはハリウッドスタイルの豪華な製品立ちあげ方式を拒否したからこそ成功した。
マーケティングの本質は変わらない。顧客が誰で、どこにいるか。これまでのマーケティングがブランドとインプレッションに基いていたのに対し、グロースハックは測定とROI。
マーケティングは企業や製品の完成後にスタートする自己完結型活動という考え方を放棄することから始まる。グロースハックは製品発表の数週間前に始まるのではなく、製品の開発・設計フェーズから始まる。
プロダクト・マーケット・フィット(PMF)と呼ぶレベルにサービスが到達するまで、長い時間を掛けて調査を行っている。PMF とは、サービスと顧客のニーズが完全にシンクロする状態を指す。
失敗する書籍というのは、著者が何年も閉じこもって執筆し、書き終えたものを出版社に渡すものが多い。
ソクラテス式問答法で、あらゆる仮定について、繰り返し質問する必要がある。
- 誰のための製品なのか?
- なぜユーザーがこの製品を使うのか?
- なぜ私はこの製品を使うのか?
- この製品を購入した理由は?
- 知人にこの製品を紹介しようと思わないのはなぜ?
- どんな機能が足りないか?
- 長所は?
無からでっち上げる派手なキャンペーンは必要ない。コアユーザーの関心をとらえるための戦略的なオープニングが必要。
デモ動画の制作は、Digg や Slashdot などのソーシャルニュースサービスのユーザー層を把握していたので、動画の中で取り上げるサンプルには、彼らが好みそうなネタを散りばめた。
重要なのは、何か目新しくて刺激的な方法を見つけ、そのエネルギーを製品の起爆剤として活用しなければならないということ。
アーリーアダプターだけを魅了するよう慎重に動く。しかも、可能な限りコストを掛けない方法を探す。
自分たちと同じような人々が対象ユーザーであれば、彼らは毎日、自分たちと同じようなコンテンツを読み、同じような行動をしているだろう。
ふさわしい相手をどこで探せばいいか? そんな質問をするようでは、製品立ちあげを検証できるレベルまで市場をしっかり把握できていないということだ。
大事なのは、何人に認知されるかではなく、何人がサインアップするか。
製品そのものに宣伝させる作戦で効果的だったのは、それまで黒が普通だったイヤフォンを iPad で白にしたこと。ゴー・バイラルしたければ、クチコミの種を製品の中に仕込む必要がある。
Twitter でユーザー登録をした当日に5〜10人を自分からフォローしたユーザーは定着率が高いことがわかった。
マーケット・メトリクスは、既存顧客が購入する可能性は60〜70%なのに対し、新規顧客の場合は5〜20%だとしている。
グロースハックは ROI(投資収益率)の最大化を目指すもの。新たな顧客を求めてさまようよりも、すでにある顧客基盤を最大限に生かせるような新機能を追加したり、見込み客を顧客にコンバージョンする方が有効。
その本の著者は、PMF(プロダクト・マーケティング・フィット)のレベルを一段階高くした。各章を内容的に独立させ、章ごとに、明確に別の読者層にアピールするようにした。さらに、章の中でも、節をひとくちサイズにし、読者が適当にページを開いても、その1ページから何かしら実用的な情報を得られるようにした。
何ヶ月もかけてキャンペーンの準備をした後で、製品が共感を呼ばないものだと学ぶほどの余裕はない。グロースハックは基本的に、失敗のコストを削減し、新しいことを試す自由を与えてくれる。
ハック(hack)という言葉は本来、高い技術力を駆使して課題を解決するという意味。
たとえば、登録段階では必須ではないIDの登録は割愛して後でも登録できるようにし、メールアドレスとパスワードのみ入力してもらうことにした。加えて、登録作業が20秒という非常に短い時間で完了すると伝えることで心理障壁を外した。
グロースハッカーは仕組みではなく、考え方。