「Webサイト制作のワークショップ」のメモです。
リアルな世界に存在するボタンのメタファーをWebに取り入れることで、ボタンを押すとページが移動するという操作を直感的に行えるようにした。こういった操作を多くの人が学習してきたことで、もはやボタンである必要がなくなった。
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Webデザインの流れ
立体的なボタンやリアルなアイコンデザインなど、人はリアルの生活にあるものと結びつけて、その操作方法や機能を想像することができた。
それまでのテーブルレイアウトから、正しい構造でWebサイトを作る「Web2.0」で多くのWebサイトが整備された。多くのAPIの開放やライブラリの提供、オープンソースのCMSなど、お互いに技術やスキルを提供しあうことで、Web全体の底上げが行われた。
「Web 2.0」という言葉は秀逸だった。「これからは2.0だよ」ということで、これまでのWebサイトがすべて古くなった。と同時に、これは未来へと継続していく進化であることを伝えた。
そこからインターネットやアプリの可能性が模索され、過渡期としてリッチなデザインのアイコンが使われた。Mac OS X(現macOS)のアイコンがまさしくスキュアモーフィックデザインだった。いまでもいくつかのアイコンにその名残はあるけれど。
そしてフラットデザインへ
フラットデザインとは、立体感のないシンプルなデザインを指すだけではなく、スクリーンに表示されるUIの進化の過程。
「押すとへこむボタン」というUIによって、押せるボタンであることを伝え、Webサイトを見るだけのものではなく、人が操作してインタラクティブに動くものになった。多くの人がその体験から学習をして、今はもうタップできる部分を大げさに表現する必要がなくなった。UIのビューとコントローラの境界が溶けていった。現実世界のメタファーとしてのビジュアルもあまり使われなくなった。
フラットデザインを取り入れたUIでは、「奥行き」が重要な概念となる。コンテンツが一番奥にあって、たとえばその上に白くて薄い1枚のシートが重なり、さらにその上にUIアイコンが置かれる。画面の推移は、上へ上へとシートをかぶせることでもある。
この「奥行き」という概念は、リアルな空間の中に浮かび上がるUIのシートのようなもの。一番奥にリアルがあり、手が届くところにUIが浮かぶ。リアルとUIの境界を鮮明にするために、1枚の薄いシートがある。
スマホの操作を理解する
スマホでのジェスチャーの種類を理解しておく。これ以外のジェスチャーをユーザーに強要しないこと。スマホはPCのようにカーソルがないので、マウスオーバーという概念はない。
- タップ|押す
- ドラッグ|スクロールまたはパン
- フリック|素早くスクロールまたはパン
- スワイプ|隠れたビューを引き出す
- ダブルタップ|二度押し
- ピンチ(ピンチイン/アウト)|2本指で拡大/縮小
- タッチ&ホールド|長押し
- シェイク|取り消し
- ピーク|軽くプレス
- ポップ|深くプレス
フィードバックとモーダルウインドウ
ログイン後に「ログインしました」とモーダルウインドウが表示されて、「OK」を押すまで次の操作を受け付けない。こんなWebサイトやアプリがある。本来モーダルウインドウは、重要な選択をユーザーに行ってもらう以外に頻繁に使用しないこと。
ガイドライン
特に Apple の HIG は必読。
- Apple|HIG|iOS ヒューマンインターフェイスガイドライン
- Apple|その他の日本語ドキュメント
- Google|マテリアルデザイン
- Android |Design
- Microsoft|UXデザインガイドライン
UI – ハンバーガーの位置は右か左か
|スマホサイトでよくメニューとして使われているこのアイコンをハンバーガーという。
統計的に、スマホを右手で操作する人が圧倒的に多いらしい。左手2:右手8の割合。右手で操作する場合、ハンバーガーは右にあった方が指が届きやすくて操作がしやすい。また、常にハンバーガーをページ上部に固定表示させる場合にもやはり右が好ましい。テキストを読むページなど横組みのWebサイトにおいて行頭にUIが重なっているというのは非常に文字が読みにくい。