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小さい頃、父が黒電話で話していた。「うちの息子は良い子にしてるから、よろしくお願いします」
父は受話器を置いて言った。「サンタクロースに電話しといたよ」
クリスマスイブに、「もうそろそろ届いてるんじゃないか?玄関に何か置いてあったりしない?」そう言われて見に行ったが何もなかった。
茶の間でみんなコタツに入って過ごしていた。茶の間の明かり、こたつのヒーターの匂い、玄関の寒さ。
しばらく経って「そろそろ届いてるんじゃない?」と言われて行くと、そこにはプレゼントが置いてあった。
父はサンタクロースの電話番号を知っていた。サンタクロースも今では090から始まる番号を持っているだろうか。LINEのアカウントを持っているだろうか。
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