夏休みはパソコンサポートの問い合わせが増えるらしい。中でも多いのは架空請求に関するもの。学生は透明バナーや動くバナー、騙しリンクを回避する術を身につけて、エロサイトに勤しんでいるのである。それは健全だが、問題なのは架空請求業者に個人情報を教えてしまった後に相談があることだ。
親がちゃんとインターネットを教えなかったからだ。ITリテラシーの学習はまだ義務教育ではカバーしきれていないみたいだし、ITリテラシーというのは何よりも人生を加速させるスキルだと思う。なかなか親に相談できない子供は、なんとか自分で問題を解決しようとする。その低いITリテラシーでたどり着く手段には危険がいっぱいだ。
何年も前の話だが、Web制作会社の社長が新入社員に対して質問をした。「あなたが好きなWebサイトを挙げてください」というと、ほとんどの人がSNSを挙げた。おそらく期待されていた回答は、昔の海外のFlashサイトのようなインタラクティブでクールなサイトか、切り口の鋭いポータルサイトが出てくることだったと思う。
たとえば僕らは、生まれたときから茶の間にテレビがあったので、生活におけるテレビとはどういう存在か?とか、テレビの未来とか、そもそもテレビをテレビと思ったこともない。ただあたりまえにそこにあって音と映像を流し続けているものだった。そのテレビと同じように、Web以降に生まれ育った人たちは、WebをWebと思っていないんじゃないかと思う。水を飲むようにWebを使ってきたわけで。
子供にスマホを持たせるかどうかという話ではなく、Webはすでに生活の中に溶けている。放っておいても友達からネット上のあらゆるものを知ることになる。その流れが一番危ないので、大人でも正しく知らない人が多いネットというものを、新しい人にはしっかりと教えたいと思う。
早めにナイフを持たせてその使い方を教える。放り投げて故意に誰かをケガさせないように管理の仕方も教える。ナイフで人を傷つけることもできるし、それで調理して美味しいものを食べたり、誰かを幸せな気分にさせることもできる。