デジタルネイティブ (digital native) とは、生まれた時からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代のことです。特に、SNS やクラウドコンピューティング、マルチタッチなどの UI を使いこなしている世代のことです。
最近の子供・学生がデジタルネイティブすぎる…ツイッター報告まとめ
親がどんなにネットにうとくても、子供たちはそうではありません。「パパに聞くよりもネットで調べたほうが早いもん」とか「パパは Wikipedia の使い方もわからないから役に立たない」とか「Twitter で“なう”とかいうの気持ち悪いからやめてほしい、わたしの友達もみてるから」や、「パパくさいから死んでほしい」などと言われても、なにも否定できません。
ネットのように目まぐるしく進化し続ける技術というのは、人はその変化に対して拒否反応をしめすけれど、すぐに対応できるようになるものです。
カメラが魂を抜くと信じられていた時代のように、蓄音機にも同じことがあったようです。
ジョン・フィリップ・スーザがこんな意見を述べている。「蓄音機が出てきたことで、声の訓練はすたれてしまうでしょう! そうなったら、国民の喉はどうなります? 弱くならないでしょうか。国民の胸はどうなります? 縮んで、肺活量が減ってしまわないでしょうか。
すべては杞憂ですね。
日常の変化は、技術の進化と一緒に大きくなっていきます。円の外枠が大きくなっていって、それ自体が盛りあがります。それから円の内側が小さくなっていき、もともとあった常識が廃れていく。なくなりはしないけど元の大きさよりも小さくなります。その日常の中で、自分がどこにいるかということです。
たとえば履歴書にプリクラを貼るのはよくないとされますが、もはや画像修正された写真を貼ることには抵抗はないでしょう。そうこうしているうちに、履歴書自体が必ずしも紙であり写真を貼りつける必要がなくなります。その人を判断するという目的のために進化していきます。
その日常では、紙の履歴書で自己表現された世界など、もはやプリクラだろうが関係ありませんよね。
UIの違い
iPad のカレンダーアプリは、現実のカレンダーに似たテクスチャやデザインがされていて、使い方を迷うことのないように設計されています。
一方 iPhone はというと、デバイスの大きさの問題を差し引いても、現実にあるもののメタファーという設計はされていません。これは、iPad は PC に代わるもので、iPhone は ケータイに代わるものだという違いが現れているのかも知れません。
iPadはパーソナルなデバイスではなかった
iPhone はパーソナルなもので、勝手に友達の iPhone をさわったりはしないですよね?
でも iPad は違いました。UI に関わっている SE の友達が遊びに来たとき(新しいデバイスへの興味の度合いもあると思うけど)、おもむろに iPad を手にとってブラウザを開いてブックマークをみだしました。その友達にはむしろもっと色々とさわってもらい情報交換したかったので、まったく悪い気はしなかったんだけど、その行為には大きな発見がありました。
iPad はパーソナルなものには見えないのかもしれない。それに自分自身も、誰にさわってもらってもいいように考えているし。
テレビでネットができますが、たとえば Twitter がテレビのサイドバーに表示されたとします。テレビは家族や友達と一緒にみることがあるので、そこにパーソナルな Twitter を表示させるのはふさわしくないですね。
デジタルネイティブ
流行の過程として、このような分け方がありました。
- イノベーター(Innovators:革新者)
新しいものを進んで採用する人。 - アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で自ら情報収集をおこなって判断する人。オピニオンリーダーとなって他の人に大きな影響力を発揮することがある。 - アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しいものの採用には比較的慎重な人。 - レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しいものの採用に積極的ではなく、周囲の大多数が使っているのをみてから同じ選択をする人。 - ラガード(Laggards:遅滞者)
世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しない保守的な人。
Facebook や Twitter などは、常に仕様が変わり続けているので、どこか一定の部分でスキルの平均が保たれるものではありません。昔から使っている人も、いま始めた人も、それぞれ違う楽しみ方で SNS を使っているでしょう。変わり続けていくものの前では、このイノベーター理論は崩壊してるのかもと思います。
これから Facebook に子どもたちが入ってくるかもしれません。出会いの場や詐欺などに巻き込まれる事件が増えるかもしれません。しかしそれは無知な子どもたちが巻き込まれるのではなく、デジタルネイティブです。
さんざんネットの耐性をもった子供たちです。安易な事件に巻き込まれるのは大人の方かもしれませんね。デジタルネイティブと一緒に仕事をすることになる日も近いですよ。