社会調査・アンケート調査とデータ解析」を元に要約メモしておきたいと思います。

アンケート調査の種類

  • 面接調査
    調査員が調査対象者を訪問し、本人に直接質問をしてその場で回答を得る方法。調査に対する理解や協力が得られやすく、回答も確実に得られる。質問の意図も伝えられるので、枝分かれのある質問でも確実に回答を得られ、ミスも少ない。
  • 留置き調査
    調査員が調査対象者を訪問し、調査に対する協力を依頼してアンケート用紙を預け、後日あらためて回収する方法。アンケート用紙の回収だけを郵送にする場合もある。
  • 郵送調査
    アンケートの送付や回収を郵便で行う方法。調査対象地域が広範囲であっても低コストでできるのが最大の特徴。調査対象者の氏名と住所が分からなくてはいけない。また、用紙の発送から回収まで時間がかかり、回収率もそれほど高くない。
  • 電話調査
    調査員が直接、調査対象者に電話をして、その場で回答を得る方法。
  • インターネット調査
    ネットで回答者を募集し、質問もネットで配信する。アンケートに対する回答は、サイトに直接記入したり、メールで行ったりする。回答のデータはそのまま集計ができるので、調査結果が短期間で得られる。また、調査費用が安く、質問内容によっては大量の回答を受け取ることもできる。
  • 集合調査
    対象者を調査会場に集め、その場でアンケート用紙を配布して記入してもらい、その場で回収する方法。出席者全員から回収できるので回収率が高く、低コストの方法。
  • 簡易調査
    通行人や施設の利用者などに、その場で面接などの方法によって行う調査。長時間の拘束や面倒な質問は適さず、天候なども調査に影響を与える。
  • FAX調査
    広告などで募集したり、商品販売時に依頼をして了解を得た対象者に、FAXでアンケート用紙を送信して、FAXで回収する方法。調査対象者とあらかじめ調査協力のためのモニター契約をしておくのが一般的。
  • 携帯電話調査
    メールでアンケートを送信し、メールで回答を得る方法。位置情報(GPS)が利用できるので、これを使った調査も可能。調査対象者とあらかじめ調査協力のためのモニター契約をしておくのが一般的。
  • デジタルテレビによる調査
    デジタルテレビの双方向通信機能を利用したもの。すぐに回答を得られるが、その時間にチャンネルを見ている人だけが対象者になり、特定の層に偏りがち。
  • ホームユーステスト調査
    調査の対象となる商品を実際に家庭などで試してもらい、そのを利用した経験から評価や問題点などをアンケートする調査。調査対象者とあらかじめ調査協力のためのモニター契約をしておくのが一般的。
  • 回答者募集式調査
    ネットや広告などで回答者を募集し、回答者を1箇所に集めて行う調査。集まった回答者は特定の層に偏っている可能性もあるため、統計的に検証することはできない。

インターネット調査での回答者の属性の偏り

従来型調査と比較すると、一般的に次のような偏りがある。

  • 高学歴
  • 未婚
  • 小規模世帯
  • 社員数は少なく、非正規従業員が多い
  • 不安・不満がでやすい
  • 労働時間が短い場合が多い
  • 大企業勤務者が多い

こうした回答の中でも、特に女性の人数が多くなる傾向がある。年齢も20〜40歳代は調査がしやすい。平日昼間の調査では、次のような人の回答割合が多くなる傾向がある。

  • 日常的にパソコンを使用して仕事をしている人
  • システム開発などを行うエンジニア
  • パソコンを使用する専業主婦

一方、回答割合が比較的少なくなるのは次のような職業の人。

  • 主に外で仕事をする営業職、作業者
  • 製造業、自営業者
  • 公務員など勤務時間内のパソコンの私用を禁止されている人

インターネット調査に向く調査

20〜40歳代で一般的な日用品の消費行動や情報感度が高い層や情報収集意欲が高い人、インターネット利用度が高いヘビーユーザーに対する調査などはインターネット調査に向いている。

インターネット調査に向くと思われる調査例は以下。

  • ブロードバンドについての利用状況
  • Webページに対する評価
  • 20歳代の女性に対する化粧品の利用状況
  • 30歳代にOLに対する日用品の利用状況
  • 日用品開発についてのニーズ
  • 就職活動を行う学生に対する就職意識

よい調査の評価基準

  • 最初のコストで必要な品質が得られること
  • 調査の正確さに関する情報が提示されること
  • 調査対象への適切な配慮がなされること

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