もくじ
「心理学入門」を元に、要約メモしておきたいと思います。
心理と生理とをつなぐ優秀な連絡役、神経
神経には、末梢神経系と中枢神経系の2系統がある。末梢神経系には自律神経と呼ばれる、呼吸や消化などをコントロールしている神経がある。緊張しているときの心臓のドキドキを押さえようとするなど、自分の意思で調節する必要のない自律神経を自分の力で何とかしようとすることによって、逆に自律神経を混乱させてしまう。神経症と呼ばれる心の状態がその1つ。
神経細胞に情報を送り続けて生じる感覚の慣れ、順応
受容器が同じ種類の刺激を受け続けることによって、その刺激に対する感受性を次第に低下させていくことを「順応」という。暗いところで目が慣れるのも順応で、つまり感覚量が自動調節されることをいう。
感覚が周りの影響を受けてしまう対比
周りに並べられた円によって、真ん中の円の大きさが違うように見えてしまう。極端に異なる刺激を連続的に受け取ったとき、それに影響されて変化したように感じる現象を「対比」と呼ぶ。錯覚と呼ぶ現象をつくり出しているのは、この「対比」。
聴覚、嗅覚、味覚などで起こりやすいマスキング
ある刺激に対する感覚が、別の刺激によって遮られたり弱められたりする現象を「マスキング」という。
まとまりをつける働き、知覚の体制化
受容器から電気的情報が中枢神経系に届くだけではなく、大脳の働きによって過去の経験などを呼び起こして物事を認識することを「知覚」と呼び、感覚と区別して考える。この「知覚」には「体制化(まとめようとすること)」という働きが備わっている。例えばだまし絵を見たときなどには、いったんどちらかの見方をしてしまうと、もう一方の見方では見えにくくなる。
知覚現象に対する新しい考え方、アフォーダンス理論
アフォーダンス理論では、「手に持てる円柱形のモノ」や「座れるくらいの大きさのモノ」と知覚すると考える。モノがアフォードしているもの(アフォーダンス)を知覚しているという考え方。
記憶を意味記憶とエピソード記憶の2つに分類した理論
「意味記憶」とは、物事についての系統だった知識のこと。「エピソード記憶」とは、特定の時間や場所と結びついている個人的な体験についての情報や関係についての知識。
人はどのようにして記憶するのか
記銘(きめい)、保持、想起(そうき)の3段階がある。
「記銘」は、物事を頭の中で反復したり、イメージを膨らませたりして記憶しようとすること。
「保持」は、記銘によって記憶されたことを長く保っておくこと。
「想起」は、保持されたことを思い出すことで、「再生」と「再認」がある。再生は、記憶内容を言葉などで表現すること。「再認」は、すでに経験したことや知っていることをそのとおり確認できること。
記憶は、再生されるときにある部分が強調されたり単純化されたりする。このように、記憶は「変容」する。
感情とはどのような心の動きか
「情動」とは、急激に起こり、短時間で終わる強力な心の作用。
「感情」とは、強度が弱く身体的変化の少ない心の作用。
「気分」とは、強度は弱いが比較的長く続く心の作用。
情動は何からどのような影響を受けるのか
ゆらゆら揺れる吊り橋を渡ってきて、男性は強い恐怖心が生じ、生理的に興奮した状態だった。そんな時に女性から声をかけられた男性は、本当は恐怖心からくる興奮を、その女性に対する感情的な興奮であるかのようにとらえてしまった。
学習心理学の出発点、パブロフの古典的条件付け
餌が犬の口に入ったときの唾液分泌を「無条件反射」と呼び、餌を見るだけで起こる唾液分泌は「条件反射」と呼ぶ。このように、「無条件反射」とは無関係だった刺激が、「無条件刺激」と結びつけられることで、無条件反射と同じ「条件反射」を引き起こすようになることを「古典的条件付け」という。
行動と刺激を重視したスキナーのオペランド条件付け
ニンジンが嫌いな子供に、食べると報酬を与えて、食べないと罰をあたえる。そうすると、ニンジンを食べれば報酬が得られることを学習し、自発的にニンジンを食べるようになる。
無力感も「学習」される
まず最初に、逃げられないように拘束した犬に電気ショックを与え続けておく。次に、逃げるためのボックスを用意して、同じく電気ショックを与える。するとその犬は、電気ショックを浴びても逃げようとせず、ぐったりと動かなくなってしまった。はじめに拘束せれて逃げられなかったことを学習してしまったため、客観的には逃げられるのに、逃げようという反応を起こせなくなってしまった。これを「学習性無力感」という。
コンピュータに求められる人工知能としての役割
知能というよりも、人間の認識の仕方を総合的に研究しようとする分野が「認知心理学」。