「Webプロジェクトマネジメント標準」を元に、自分自身が理解しやすいような形で要約メモしておきたいと思います。
精度の高いスケジュールを作成する
スケジュール作成時にまず考慮すべき要素に個々の作業内容(アクティビティ)があります。そのアクティビティにどの程度の時間を割くかを考えることで、全体のスケジュールが決まってきます。PMBOKではさらにアクティビティ間の依存関係に注目します。依存関係は3種類あります。
- 強制依存(ハード・ロジック)
「ページデザインができていないので、コーディングが始められない」「CMSサーバへのコンテンツの登録が終わらないと表示確認テストができない」といったように、作業の性質上、順序を絶対に入れ替えられない依存関係です。 - 任意依存(ソフト・ロジック)
「全ページのワイヤーフレームが確定してから、デザイン作業に着手する」「HTMLガイドラインが承認されるまではコーディング作業を開始しない」など、過去のプロジェクトから得た経験や知識をもとにして任意に設定する依存関係です。 - 外部依存
「発注したサーバの納品がまだなので、プログラムをインストールできない」など、プロジェクト内のアクティビティではない要因との依存関係です。
アクティビティの依存関係が把握できたら、次に各アクティビティの論理的順序関係を設定する必要があります。アクティビティの順序関係は、以下の4つです。
- 【1】終了-開始(FS/Finish to Start)
先行アクティビティが完了すると後続アクティビティが開始できる。 - 【2】終了-終了(FF/Finish to Finish)
後続アクティビティは先行アクティビティの完了によって完了する - 【3】開始-開始(SS/Start to Start)
後続アクティビティは先行アクティビティの開始を受けて開始する - 【4】開始-終了(Start to Finish)
先行アクティビティの開始によって後続アクティビティは完了する
この中で現実的にスケジュール作成でもっとも使われるのは【1】、そして【2】です。
スケジュールを組むうえでもうひとつ抑えておきたいのがマイルストーンです(スケジュール書の中では◆と記述)。PMBOKではプロジェクトにおいて重要な意味をもつ時点やイベントと定義しています。マイルストーンのというスケジュールの節目を設定し、スケジュールの遅れや予算の超過やスコープの変更などが発生していないかを確認できるようにするわけです。
納期に直結する一連の作業のつながりであるクリティカル・パスをしっかり認識しておくことが重要です。終了-開始(FS/Finish to Start)の連続のような、時間的にまったく遊びがない最長の作業の連なりがクリティカル・パスで、逆に言えば、この連なりの作業を遅らせなければ、全体のスケジュールが延びることはないわけです。